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ダムめぐり/「箱島ダム」を知りませんか?/その1

「ロックフィルダム」とは言うものの・・・

直接のきっかけは4月3日の朝刊に織り込まれていた「ぐんま広報」に載っていた県議会議事録である。

Q.吾妻郡東村の箱島湧水は日量3万トンの水がわき出している。現在、この水を活用した発電施設建設の可能性について検討を進めていると聞いているが、その状況はどうか。(ぐんま広報191)

この質問に対する県の回答として、最大出力120kw〜130kwで年間100万kwh程度の発電が可能であり、県が事業化の可能性を検討するという回答が掲載されている。そういえば、前に宮島さんのサイトのダムマニアの掲示板に、箱島湧水の下に古いダムがあるっていう投稿があったっけ。今日「すごろく」で吾妻方面に行くことあったらついでに見に行こうと思っていた。

そして、サイコロの目は下仁田から吾妻方面へ。日没までにたどり着けない「草木ダム」の目が出たところですごろくは引き上げ、帰りの道沿いにある「箱島湧水」へと車を走らせた。

「箱島湧水」の入り口は、道沿いにある案内板を通るたびに何度も目にしているので調べなくとも分かる。案内板の指示に従って駐車場に入る急な坂を上がると異様な風景が目に飛び込んだ。

駐車場にある木という木に、台車が鉄の鎖でくくりつけてあるのだ。しかも南京錠で鍵までかけてある。

車を降り駐車場から歩いて出て行った先もこんな風景。どうやら、湧水を大量に利用する人がポリタンクを運ぶために使う台車をおいているらしい。たしかに駐車場から湧水までは歩いて5分くらい距離があるので大量のタンクを手で運ぶのは大変だ。でもこんなに台車が並んでいるのを見たのは小学校の時以来だ。(私の通っていた小学校には児童が校庭の清掃をする時の為に台車が何十台も並んでいた)

杉林の中の道を少し歩くと木々の隙間から堤体が見えた。草の生えた緑色のなだらかな斜面からどうやらアースフィルダムっぽいのだが、真ん中がぱっくり割れているのはなんなんだ?通常フィルダムというのは堤体に洪水吐等の設備は設けることが出来ないので、ダムの近くやダムに隣接して設けるのが普通である。しかし、このダムは堰堤中央部にある。少なくとも私が今まで見てきたダムの中にこんな形式はない。

ダム左岸に建っていた案内板である。案内によるとこのダムは明治43年(1910)に箱島水力発電所のダムとして作られたダムらしく、現在は使われていないらしい。しかし、いきなり「ロックフィルダム」。近くで見ても斜面に石は見あたらず、土があって緑で覆われている。年を経たせいだろうか?

堰堤に立ちダム上流部をみて驚いた。すとん、と鉛直に立っているのである。フィルダムでこんな形式見たことない。ダムをわたりきって上流から見てみると上流部は石積になっており、下流部では中央で二つに分かれていたが、上流部からは一体になっているようだ。

湧水はダムから20m位上流にある。いわゆる「わき水」の竹筒からちょろちょろと流れ出るのを想像していたので、こんな大量の水が流れ下っているのを見てびっくりした。湧水を汲む人も沢の中に直接容器を入れて汲んでいる。私も飲んでみようと沢の水に手を入れると暖かい。水の味は正直よく分からないのだが、特に癖のないソフトな感じがした。家の水道よりはおいしい気がする。

見たところ他の沢からの流入はほとんどなさそうで(この状態が当時と変わらないのであれば)ダム湖の水は湧水によるものだったのだろう。おいしい水から作った電気だ。

また、堰堤をじっくり観察してみる。中央の部分は堤頂にかかる部分は石積で斜面にかかる部分は玉石が積んであるように見える。しかし、はたしてこのダムはロックフィルなのだろうか?下流部の形式から見てみればフィルダムという見方は正しいと思うのだが、この草と土の下には石が積んであるのだろうか?なんだかすごい物を見てしまったという興奮に、とりあえず資料当たってみるか、と思いながら駐車場を後にした。(2005/04/03)