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ダムめぐり/福島談合のダムに迫る/その2

福島談合のダムに迫る(その2)

目に飛び込んできたのはさっき見えた白い堤体ではなく、青空に突き出たクレーンの鉄塔だった。

もう、写真が下手で泣けてくるのだが、運転中の前方の視界に黒い鉄柱が突然飛び込んできたときには、全身の毛が逆立つような感じだった。まだ建設中なのでこんなものも見ることできるのだ。はるばる来て良かった。テンション上がりまくりな中、程なくダム右岸の駐車場に到着。いよいよ堤体です。

まっすぐな面の組み合わせで曲面がないダムである。でも角が丸くなってるからか、すっきりシャープだけれどもソフトなイメージ。Webのデザインじゃなくても角丸使うと人に優しくみえるのだな。じーっとみてると、ちょこんとおすましして座ってるようで、なんだかかわいく見えてくる。

さて、この日の2日前から前日にかけて猛烈に発達した低気圧が日本列島を通過したためこの辺りも、ものすごい量の雨に見舞われた。そのためダム直下に放流口があるらしい仮排水路の水が濁流になっていた。

現地にはガードマンが1人常時警備にあたっていて、いろいろ話を伺うことが出来たのだが、前日までに400mmくらいの雨が降ったそうで、工事をはじめて以来の出水だったとか。今考えるとあの土砂崩れも、前の日崩れたばかりだったので何にも出ていなかったのかなぁという気がしてきた。

ダム本体のコンクリート打設は今年の7月で完了、あとは付帯設備の据付など細かい工事を残すばかりだそうで、クレーンもその工事が終わり次第撤収されるそうである。ちなみに工事中はダム右岸の展望台から眺めることしか出来ない。ダム上流がどうなってるのか見たかったのだが適わず。これはちょっと寂しい。

ちなみに、談合事件の報道がなされてから見学に来る人が増えたりしたのか聞いてみたところ、別にそれほど代わらないとの事。そもそもこんなところでダムの工事をやっているなんて近くの人以外ほとんど知らないんじゃないか、と言っていた。まあ、事件の舞台はもっと別の場所だろうから、こんな山奥に来たところで何も無いのはあたりまえといえばあたりまえである(でも来たけど)。連休のこの日も私が居た間、ほかの人は誰もこなかった。

結局、福島まで来てはみたもののどうにも考えはまとまらず、改めて自分がダムとかこういうもの好きだ、という事を確認しただけだった。でも逆にいえばそういう事なのだ。

声を大にして言っちゃうぞ。ダムが好きだ!

だから、関係者の方には「無駄なダムだ」なんて言わせないような計画を立てて欲しいし、汚職の象徴にしてしまうようなことをして欲しくないし、ともかくそういう事なのだ。頭の中に引っかかるトゲがいろいろあるのは分かってるんだけど、もう好きなんだからしょうがない。だからこそダムをちゃんと分かってる人になりたい、変なことは変と言えるようになりたい、逆に変じゃないのに変だと言ってることには変じゃないと言えるようになりたい、と一応自分の落としどころをつけたようなつけないような、まあそんなことを考えながら木戸ダムを後にしたのでした。