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ダムめぐり/「箱島ダム」を知りませんか?/その3の変更点

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!!!再び箱島へ
資料を手に入れた翌日、所用で有休を取っていたのだが、用事がお昼過ぎに終わってしまったので、いても立ってもいられなくなり箱島へと向かう。1時間弱で到着、カメラを持って車を降りる。今回の目的は水圧鉄管と発電所跡を特定することだ。なにしろ水圧鉄管に関しては平成2年まであった事が記録されている。おそらくまだあるに違いない。
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ダムの堰堤を歩きながら材質をじっくり観察してみる。斜面の表面に所々石らしきものも見えるが、やっぱり土っぽいような気がする。天端も中央部は石が敷いてあるが両端は土が見えている。斜面の中央部の切れ目はどうなってるだろうと見たら蛇がいた。
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ダムめぐりやらなんやらをして山に入ると時々出くわすのがこの蛇である。はっきり言って蛇は嫌いだ。そういえば荘川沿いをさかのぼっているときやたらと蛇がいた。初めてとぐろを巻いている蛇を見たし、その蛇を踏みそうになったのを覚えている。あのときは腰が抜けた。実は、今日は回り込んで沢に降りられそうなら降りて、正面から写真を撮ろうかなんて事を考えていたのだが、蛇で一気にやる気をなくした。この先どうか蛇となるべく遭わないでいけますようにと祈る気分である。
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今回メジャーを持ってきたのでフェンスの高さを測ったのだが、おおよそ120cm位ある。写真からダムの高さがフェンス何個分くらいあるかでおおよその高さを測ると6〜7mと行ったところだろうか。この高さだとダム年鑑が発刊された時期と稼働している時期がぶつかっていても掲載はされてなさそうである。
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「水を溜める」というダム本来の役目は終えているが、ダム堰堤右岸に付けられた取水口から湧水の水をどこかに取り入れている。取水口自体はダムの構造から見て後から付けられないだろうから、多分建設当初から付けられているものだと思う。また、100m位下流で川の上を導水管が横切っているが、ここから取水した水を水道施設へと送り込んでいるのだろう。このような事から水圧鉄管があるとすれば右岸側だと考え(左岸にそれらしいものもないし)、前回行かなかった右岸の未舗装の道を蛇にびくびくしながら下っていった。
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歩き始めて少し行ったところで、道路右手にコンクリートの四角い塊があるのに気づいた。「これは、もしやっ」と駆け足で進んだところ、カメラのワイコンを地面に落とす。よくはまってなかったらしい。拾ってみるとちょうど石があったらしく長さ1cm幅3mm位の傷がくっきり付いていた。「これ、修理いくらするんだろう…」とがっくりしながら、歩き進めると明らかにさっきのつづきと思われる四角いコンクリートが道沿いにずーっと続いている。
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道沿いに延々続いているのは確認できるのだが、このまま下まで降りると帰ってくるのが大変なので、いったん駐車場に戻って車で下に降りることにする。山を下りると登り口を少し行ったところで「箱島不動尊参道」と書かれているそれらしい道を見つける。そして車を安全そうな場所に置いて歩いて調べた所、ついにこれが水圧鉄管だとわかる所を見つけることが出来た。
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延々続いていた四角いコンクリートをたどったところ地面に潜り込むところで黒い鉄管が顔を出していたのだ。ちょうど県道から入って数十メートルの場所。おそらくこの先、それほど遠く無いところに発電所があったはずだ。ちょうど道を渡ったところに小さい子供を連れた若い女性がいたので、発電所の跡が無かったか聞いてみると「少し先に行った所に幼稚園があるからそこを曲がればすぐ」とのこと。早速車に乗り込んで教えてもらった所に向かった。
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これは、箱島発電所跡じゃなくて箱島発電所でっせ…。よく分からない言葉遣いで落胆を表現してみたが、どうやら女性が聞き違えたようである。今も稼働中のこの箱島発電所は現在工事中のようで中から音がしていた。しかし間近で見るとかなりでかい発電所だと思う。水路式に関しては取水ダムも発電所もあまり意識していなかったが、これはこれで見所がありそうだ。
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気を取り直して、先ほどの所に戻ると今度は年配の男性がいた。改めて丁寧に「箱島湧水を使って昭和31年まで発電していたと聞いたのですけど、この辺にその発電所の跡みたいなものってありませんかねぇ?」と訪ねてみると、「あぁ、それならあの家のむこうにあるよ」との事。フラグが立った。もうリアルにドラクエな気分。
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教えてくれた家を通り過ぎた所にある細い路地を入っていくと、何もないくぼんだ土地の真ん中になにやら太いパイプが突き出ている。足下に気を付けて近づいてみるとなにやらカラカラ音がする。ひょっとしたらまだ通水してるのかといろいろ見たが外からはいまいちよく分からない。
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パイプのアップ
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べつの角度から
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ほかの土地から2m近く掘り込まれている。石垣もしっかり残っている。ちなみに「ぐんまの電力史」に掲載されていた写真では建物は周囲と同じ高さで立っていたので、この窪地をすっぽり覆うくらいの大きさがあったと言うことなのだろうか。
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と、いうわけで、現在も箱島発電所に関係するいろいろなものがたくさん残されているということはわかった。だが、ダムに関してなんでこんなに資料がすくないのかという疑問点は残る。これは、また次の一手を考えないと、でも具体的にどうすれば良いのかな…なんて考えつつ家へ帰るのだった。(2005/04/06)