夏休み特別版 親と子のダムめぐり


 8月です。世の中は夏休み真っ盛り。せっかくの休みなのだから家族で有意義に過ごしたい、親子のふれあいを楽しみたいなんて思っているお父さん・お母さんは多いはず。でも毎年行ってる海や遊園地はもう飽きた、どこかになかなか味わえないような体験ができる穴場はないだろうか、なんて思っていませんか?じつは、とっておきの場所があるんです。それは「ダム」。

 「ええっ、ダム〜?自然破壊なんでしょ〜?そんなコンクリートのかたまりなんか見て面白いの〜?」なんて思われたかもしれません。でも思い返してみてください。ダムをちゃんと見たことがありますか?おそらくその湖や川に関心が向かうことがあっても、ダム自身に関心を向けたことなんてなかったのではないでしょうか。ですから、この機会にダムを間近に体験してみてはいかがでしょう。重量感のあるダムの姿やダムからの眺め、そしてふと垣間見える「いまの世の中」に、きっと有意義な一日をおくれるはず。まあ、そんな堅苦しいことを考えなくても、アウトドアライフな1日としてとっても魅力的です。そうそう、それに、宿題の自由研究のテーマとしてもきっとお役に立てると思いますよ。

 というわけで今回は、関東近郊の日帰りで楽しめるダムをご紹介していこうと思います。

●ダムの博物館?群馬県・奥利根地域

 利根川の上流部にあたる群馬県水上町には大規模なダムが数多く作られています。例年この時期になると水不足を伝えるニュースが伝えられますが、その中で「関東の水がめ」と呼ばれているところがまさにこの場所なのです。また、この地域は「代表的なダムの形式(重力式ダム・アーチ式ダム・ロックフィルダム)を一度に見ることができる」という珍しい場所で、まさにダムの博物館と言っても過言ではない所なのです。

○みどころ

・なんといっても、代表的な3つの形式のダムを一度に見ることができることでしょう。狭い地域にこんなに多様な形式のダムが作られるのは珍しいことなのです。参考までに、ダム名と形式を挙げると「藤原ダム・須田貝ダム(重力式ダム)」「八木沢ダム(アーチ式ダム)」「奈良俣ダム(ロックフィルダム)」です。
・もう一つのポイントは地下発電所見学です。須田貝発電所のすぐそばにある「TEPCO電源PR館須田貝」が毎日行っている発電所の見学会は予約なしに参加可能。発電機と水車をつなぐ主軸が動いているところを間近に見ることが出来ます。

○ここをチェック

・ダムの圧倒的な大きさに目を奪われがちかと思いますが、ちょっと周囲に目を向けるとダム自体を守る仕組みを見つけることが出来ます。たとえば、ダムを超えて水が流れないようにするための「洪水吐き」や、土砂の流出を防ぐための「砂防ダム」など。特に、八木沢ダムはダム直下に発電所があるため、洪水吐きの水はダムから離れた場所に水路を通って流れてゆきます。さて、水路の終点はどこにあるでしょう?

○アクセス・お問い合わせ

・須田貝発電所をはじめ、周辺のダムについてはTEPCO電源PR館・須田貝のサイトへ。

●ダムのあとさき、群馬県・吾妻地域

 群馬県北西部には利根川の支流の中で最大の流域面積を誇る吾妻川が流れているのですが、その割にはダム開発があまり行われていません。というのも、吾妻川には白根山から強酸性の水が流れ込んでくるため、直接水に触れるような構造物を作ることが出来なかったからです。そのため、吾妻川の本流にはダムはおろか、わりと最近まで橋脚のない橋しかかけることが出来ませんでした。しかし、そんな吾妻地域だからなのか非常に特徴的なダムがあります。また、こんな特殊な事情の川ですが、実は現在、「八ツ場ダム」の建設が行われており、付け替え道路などの工事が進む中、建設の是非に対する議論が現在も続いています。

○みどころ

・吾妻郡六合村にある野反ダムは日本で最初の発電用ロックフィルダムであり、長野県にある切明発電所にてその水は発電に利用されます。また、ダム湖の野反湖は割と知られていない穴場的なスポットで、夏ニッコウキスゲが一面に咲き乱れる景色は大変すばらしいのですが、あまりに浮世離れした景色に「ちょっとしたあの世の風景だよな」なんて思わず思ってしまうほどです。
・隣の吾妻郡草津町にある品木ダムはちょっと変わった役割を持っている重力式コンクリートダムです。吾妻川の水質が酸性であることは冒頭で説明しましたが、石灰を投入することによってその水質を中和し改善しようという試みが行われており、その生成物の沈殿池としての役割を担っているのがこの品木ダムのダム湖である「上州湯の湖」なのです。そのため湖水は濃いエメラルドグリーンで、良く言えば神秘的、悪く言えば不気味で、なんとも前出の野反湖と対照的です。
・吾妻郡長野原町では重力式コンクリートダムである「八ツ場(やんばと読む)ダム」の建設計画が進行中です。現在はまだダム本体の工事は行われていませんが、ダムの付け替え道路や護岸工事などを随所で見ることが出来ます。また、ダムに沈むこととなる温泉街の川原湯温泉を過ぎたところにPR施設の「やんば館」があります。

○ここをチェック

・野反湖は群馬県にありながら長野から新潟を経て日本海に至るというちょっと変わった湖です。また、野反湖までの道ある国道405号線は野反ダムの手前で行き止まりになっていますが、ダムの先・長野県栄村で復活し新潟県上越市に至ります。
・品木ダムはその目的上普通のダムよりも多くの堆積物がダム湖にたまります。そのためその堆積物を取り除く事(浚渫)が必要であり,そのための設備が整えてあります。
・ダムを作るためにはダム本体の工事のほかに、ダムの工事車両を通すための道路や水没する道路の替わりの道路を作る必要があったり、地盤の弱い部分の補強を行ったりする必要があります。そういえば、有名な黒部ダム建設を舞台にした映画「黒部の太陽」も実際はトンネル堀り映画でした。
・もう一つ注意してみていてほしいのが屋外看板です。おそらく作業に従事する人に提供するのと思われる仕出し弁当や給食業者の看板なんかを目にすることができると思います。経済効果というのが垣間見える一つの例といえるでしょう。

○アクセス・お問い合わせ

・野反湖については吾妻郡六合村のサイトへ。
・品木ダムおよび中和事業については品木ダム水質管理所のサイトへ。
・建設中の八ツ場ダムについては八ツ場ダム工事事務所のサイトへ。

・ダムめぐりTOP・ ・TOP・