立山カルデラ(富山県)(前編)


調査日:2001年9月8日

 北アルプスを貫いて長野と富山を結ぶ、立山黒部アルペンルート。なんと言っても有名なのは日本一の高さを誇るアーチ式ダムの黒部ダムである。しかし、あまり知られてはいないが、立山には日本有数の規模の砂防工事が100年以上も前から今もなお続けられている場所がある。富山県側弥陀ヶ原高原に隣接した東西6.5Km・南北4.5Kmに及ぶ巨大なくぼ地、それが立山カルデラである。

 立山カルデラは前述のとおり砂防工事が現在も続いており、危険防止のため関係者以外の車両乗り入れが制限されており、普通の人が簡単には近づけないようになっている。しかし、アルペンルートの富山県側の玄関口である立山ケーブルカーの立山駅すぐ近くにある、立山カルデラと砂防をテーマにした博物館「立山カルデラ砂防博物館」の主催する体験学習会に申し込めば誰でもこの場所を見ることができるのである。というわけで今回はこの見学会に参加したレポートをお送りする。

 朝8時30分、博物館に集合する(ちなみに首都圏に住む者がこの時間にこの場所にいるためには、前日から富山に入っていないと相当厳しいと思う。)。参加者は10人くらい。皆、年齢の高そうな(60代くらい)人たちで、土木を学ぶ学生や実際に仕事をしている人を想像していた私にとって場違いな場所にきてしまったのではないかという思いに駆られる。しかも、いかにも登山者という格好をしている人たちばかりで、いつも自動車で目的地まで移動する私が果たしてついていけるのかという不安もあいまってなんともいえない気持ちのまま立っていると、しばらくして日程表などが配られて受付が始まった。(ちなみにスケジュールはこんな感じ)

 受付が終わりバスは博物館を後にする。博物館から立山カルデラまでは2時間くらいかかるのだが、その間、立山カルデラや砂防についての説明や、要所要所での解説と、小学生の社会科見学の気分でなかなか楽しい。ちなみに、団体・個人問わず見学中の飲酒は危険防止のため厳禁で、もし飲んでいる人がいたらバスからおろさないという話だそうだが、社会科見学中に飲酒とは無粋である。

 途中、有峰ダム(高さ140m・重力式コンクリートダム)近くの有峰記念館で休憩をとる。ここでは、コーンで包まれた円盤状の、まさに最中のような格好をしたアイスクリームが売っていて、硬いことで名物になっているそうである。アイスクリームの新たな価値基準、硬さ。

 というわけで、立山カルデラに足を踏み入れてもいないのに、なんだか長くなってしまったので、この辺でいったん仕切りなおそうと思う。なお、この見学会を主催している立山カルデラ砂防博物館は公式Webサイトを持っていて、そこでこの見学会に関する情報などを入手することができる。興味がある方はご覧になるといいと思う。ちなみにこの見学会は、博物館の展示内容の理解をより深めるというコンセプトな為に、参加申し込みするには前もって博物館に訪れる必要がある(入場券に見学会の申込み券がついていて、それを申込みはがきに添付する必要がある)。遠隔地に住んでいる人は非常に敷居が高いが、そういった意味でもここは秘境である。

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ダム名称
所在地
水系
河川名
ツーリングマップル
索引
有峰ダム 富山県上新川郡大山町 常願寺川水系
和田川
中部・北陸83 G-4