調査日:2000年9月7日
今回訪れた庄川は、岐阜県に源流をもち富山を経て日本海に注ぐ川で、流域には合掌造で有名な白川郷があったりする。しかし、そんな基礎知識などまったく持たず、「どうやら富山市から近い所にダムが沢山あるようだ」というわりと適当な理由で、今回はこの川を訪ねることとなった。
東北道砺波ICを降りて国道156号を岐阜方面にしばらく走ると、目の前に黒ずんだコンクリートの壁が現れる。これは小牧ダムというダムで、構造は重力式コンクリートダムのようだが、ゆるいアーチ状になっている。しかも、普通のダムと比較してやたらとゲートの数が多い。重力式ダムというのは無機質で画一的なものが割と多い中、この、ゲートの数といい形状といい、非常に個性的なダムといえるだろう。しかし、ダムそばの駐車場の片隅に発電所で使用していたジョンソンバルブが展示してあるだけで、ダムについて解説してある場所等はなく、あまりダムを見せようとはしていない気がする。
小牧ダムを後にして、さらに上流にさかのぼるとスノージェットの隙間から白い塔とダムを見ることができる。左写真に見えるのが祖山ダムで、緑で覆われた小高い丘を挟み込むようにして左右にダムがある。また、直下にはダムの水で発電を行う祖山発電所と導水管のサージタンク(水圧管路内の急激な水圧の上昇を抑えるためのタンク)と思われる白い塔がある(中央写真)。この白い塔が、まるでヨーロッパの古城のようにも見え、なんとも不思議な景観を作り上げている。しかし、少し離れたところに発電所で使用していた水車を屋外展示していたほかには、このダムも解説してある場所を確認することができなかった。
庄川をさらにさかのぼっていくと右手に小原ダムがみえる。これも重力式コンクリートダムのようだが、前出のダムと同じように、ゲートの数がなぜか多い。また、このダムにも解説等は見当たらなかった。
さて、ここまでなにもわからないダムばかりだと、なぜだか不安を感じてくる。募る不安を抱えたまま車を走らせていると、いかにもドライブインといった風の建物があった。缶コーヒーでも買おうと思い駐車場に車をとめると、片隅に「電源館」とかかれた建物があるのが目に入った。思いもよらず訪れた幸運に、喜びを隠し切れずに駆け寄って見たものの、中は薄暗く、扉には鍵がかかっている。ドライブインの人に尋ねてみると、閉館中とのこと。パンフレットくらいはないかと聞いてみたがそれも無いという返事。
希望を絶たれてしまった形にはなったが、まだ、上流にダムが無いわけではない。それに最上流にあるダムは御母衣ダムというわりと有名なダムである。おそらくそこにはPR施設等もあるんじゃないかという希望をもって、さらに上流へと向かった。
ダム名称
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所在地
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水系
河川名 |
ツーリングマップル
索引 |
小牧ダム | 富山県東礪波郡庄川町 | 庄川 | 中部・北陸82 F-2 |
祖山ダム | 富山県東礪波郡平村 | 庄川 | 中部・北陸82 E-4 |
小原ダム | 富山県東礪波郡上平村 | 庄川 | 中部・北陸76 C-1 |