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オープン前の東京ディズニーシーに行く


調査日:2001年8月12日

 千葉県浦安市にあるテーマパーク、東京ディズニーランド。その隣に今年9月にオープンするのが、海をテーマにしたテーマパークの東京ディズニーシーである。現在、9月4日のグランドオープンに先立って、株主や協力企業などを対象とした無料招待イベントを行っているのだが、その一環として浦安市民を招待するイベントが開かれることとなった。私も一応浦安市民(市民歴2年)だったりするので今回参加する機会を得ることができた。というわけで今回は、その模様をお送りする。

 浦安市民にとって東京ディズニーリゾートとは、2時間も3時間かけてくる特別な所ではなく、その気になれば歩いてだっていけることが出来るという身近な存在である。だから、わざわざ舞浜駅でモノレールに乗り換えるなんていうことはせず、路線バスにでも乗っていくのが浦安市民として正しい在り方だ。
 なんて小ネタにでもと思いバス停に向かったのだが、そこには思っても見ない長蛇の列が出来上がっていた。もうネタでもなんでもなくて、のっけから私の思いもしない方向に現実は向かっていた。

 

 バス停の列に並んでから2台目に来たバスにやっとの思いで乗車し、ついてからもパスポートの引き換え(各戸に配られたのはパスポートの引換券であり、入り口でパスポートをもらわなければならない)のために並ばされて結局入場できたのは9時半過ぎである。

 とりあえず、ディズニーランドでは人気アトラクションには一番に並ぶというセオリーがあるので、まず人気がありそうなインディージョーンズのファストパスをもらいに向かった。この「ファストパス」というのは、これに指定されている時間にアトラクションに行けば待たずに利用できるという物でディズニーランドでも最近導入された代物である。しかし、これをもらうためにも写真のように長い列ができていて、20分くらい待たされることとなった。

 

 もらったファストパスの指定時刻は12時過ぎなので、とりあえず別のアトラクションを回っておこうと、近くにあった「ストームライダー」に並ぶことに。1時間くらい並んで中に入ると、まず前説的な話をする部屋がある。ディズニーランドの「ビジョナリアム」や「ミクロアドベンチャー」でも同様な場所があったと思うが、ここでは、ビデオではなくて、写真中央の高いところにいる人が5分くらいの間、演技しながら解説するようになっている。このときには特にとちったりすることはなかったが、時々せりふが棒読みになるのが気になったといえば気になった。どっかにカンペがあるのだろうか。
 ちなみにこのアトラクションはディズニーランドの「スターツアーズ」みたいなタイプのライドだ。ただ(これはディズニーシーのほかのアトラクションにも言えることだが)ディズニーランドのアトラクションに比べると、実際に乗っている時間がちょっと短い気がする。

 

 インディージョーンズの指定時間にはまだ余裕があるので、前日のニュースで写っていた手漕ぎの船(ヴェネツィアン・ゴンドラという名前らしい)に乗ってみることにした。回りはカップルか家族連れ、結構気まずいものがある。しかし、このアトラクションはもっとえらいことになっていた。この船は、ディズニーランドのジャングルクルーズのように下にレールがあるわけではなく、本当に船首と船尾にいる人が櫓をこいで進めるようになっている。しかし、その進み方がよたよたしていて、時々ゴンドラ同士や壁にぶつかりそうになりながらやっとの思いで進んでいくのだ。こいでいるキャストの男性は明らかに一杯一杯なのだが、何とか笑顔で取り繕うとしている。途中のせりふや歌も空回り気味。まあ、プレビューだからしょうがないといってしまえばそれまでなのだが、果たしてオープンまでに間に合うのだろうか。
 個人的にはそんな一杯一杯なキャストに親近感を覚えた。多分、私とタイプは違うと思うが、仕事の話だったら分かり合える気がする。少なくともあの時点では。

 

 なんだかんだで時間になったのでインディージョーンズのとこに行くと、朝の行列が嘘のようにがらんとしていた。ひょっとして朝の行列は、「人気アトラクションには一番に並ぶ」というセオリーをみんなして実践していたためなのではないだろうか。以前に聞いた、証券会社のコンピュータがどの会社も同じアルゴリズムを使って株価を予測していたために株価の暴落を招いたことがあったという話を思い出してしまった。
 さて、このアトラクションはジェットコースタータイプのアトラクションなのだが、「スプラッシュマウンテン」みたいに最後のほうで写真をとってくれるサービスがある。ただ、私の番のやつは、撮影に失敗していた。このあたりもなんかばたばたしている気がする。

 

 ディズニーシーでもディズニーランドのパレードのように大きなショーが昼と夜に1つずつある。ただ、ディズニーシーの場合ライドが道を進んでいくのではなくて、真中にある池を使って行われる。内容は、ジェットスキーが駆け抜けたり、カイトが空を駆け抜けたりと迫力のあるショーのだが、登場するダンサーやキャラクターに混じってなんだか普通の人が混じっているのである。一応、マンドリン(だと思う)や小太鼓をもってショーに参加しているのだが、いまいちテンポとあっていなかったり、きょろきょろと落ち着かないそぶりをしていたり、立ち位置がわからなくなってうろうろしていたりと、ここでもなんだかあたふたしている様子を垣間見えた。
 ちなみに、真中の池を使ったショーの場合、パーク内が狭いために立ってみるように係りの人に言われる。だから、無理して正面から見るより、右手のちょっと高くなっているところから眺めたほうが見やすそうだ、と実用的な情報を申し訳程度に添えてみる。

 

 ショーのあとも、センターオブジアース・海底2万マイルとアトラクションを回ったのだが、取り立てて取り上げることもないのでさらっと流すことにする。面白かったです。ちなみに写真はセンターオブジアースの近くのもので、柱状摂理である。立山黒部アルペンルートの立山ケーブルカーでは、この前で解説が入るが、ここではノーフォローである。この辺が、日本一の集客力を誇るディズニーの余裕なのではないかと思う。土木系サイトなりのディズニー論。

 

 

 そんなこんなで、一人でディズニーシーを1日うろうろしていたのだが、ほとんどは家族連れかカップルといった感じで私と同じように1人でうろうろしている人というのはあまり見かけなかった。ただ、そんな中で、同じように1人で回っている男性を見かけると、大概カメラやビデオを手にしていて、明らかに周囲から浮いていた。そんな中、私はなるべく溶け込もうと思い、とりあえず楽しそうなしぐさを心がけていたのだが、それは間違った方向への努力だとパークを後にしてから気づいた。
 一人でうろうろするのは割と好きだが、こういうところでいつもと同じように行動するのは難しい。タレントの西村知美の境地に達するには難しいと感じた1日だった。

 

 

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